堺市 不動産の見せ所
アイオワ州やカリフォルニア州では、より簡便な株式会社化立法(相互会社を持ち株相互会社に改組し、契約者である社員はこの持ち株相互会社の社員になるとともに、その子会社であり生命保険業務も行う中間持ち株会社またはその子会社(持ち株相互会社から見れば孫会社)の契約者になる方式)がなされ、96年には、A社がこのアイオワ州の新法にもとづいてユニークな株式会社化を行っている。
最近では、最も厳格な保険法を持つニューヨーク州でも、同様の法改正に着手したと伝えられている。
わが国でも大手生命保険会社は相互会社組織であるので、銀行、証券などが持ち株会社形態を採用した場合、相対的に不利になるのは否めない。
97年6月の保険審議会の報告書は、アメリカのアイオワ州などの持ち株相互会社方式には消極的な見解を示したが、同時に、諸外国の動向を見守っていく必要がある、と述べている。
生命保険相互会社が競争面での不利益を回避でき、業務の柔軟性や資金調達面などの経営の選択肢を高めうる組織の検討が、より簡便な株式会社化法制を含めて急がれる。
ただ、もとより、企業統治の観点からの慎重な検討も必要である。
生命保険業界は、保険数理・統計事務や大量の契約の維持管理(契約の引受、保険料の収入、契約内容の変更、保険金の支払いなど)を効率的に行うため、60年代の後半からコンピュータの導入を図ってきた。
これらは、バッチ処理からスタートし、本社内のオンライン(第一次オンライン)、支社までのオンライン(第二次オンライン)、営業支部までのオンライン(第三次オンライン)へと地域や業務の拡大が図られてきた。
また、それとともに、個人保険システム、団体保険システム、資産運用システム、経理(主計)システム、総務・管理システムなどの勘定系システムから進んで、80年代には設計書作成や顧客情報の管理などを担う情報系システム(営業サポートシステム)を整備していった。
収益管理システムや人事管理システムなどの経営管理システムも構築されている。
個々の会社のみならず、業界共通の生命保険共同センター(LINC)を設置し、共同引受けの団体保険にかかる保険料の会社間移動などを自動的に処理するシステムも構築している。
さらに、86年以降、前述のように、大手会社を中心に自社の生保カードを発行し、本人確認のツールとしてのほか、CD/ATMや生保アンサーの利用により契約者貸付金の引出しと一括返済、積立配当金、据置保険金の引出しなどの顧客と会社聞の取引にも用いている(信販会社・銀行系クレジットカード会社などと提携しクレジット機能を加えた提携カードもあり、97年1月現在の発行枚数は840万強である)。
生保アンサーは、テレホンバンキングでも用いられているアンサーの生保版自動照会(取引)システムであり、契約者は電話での操作により、アンサーセンター(生保七社の共同構築)にアクセスし、暗証番号をプッシュホンまたは口頭で告げることで、契約者貸付金、配当金などを事前に指定した口座に振り込んでもらうことができる。
これらの契約者と会社聞の契約上の手続きに関する事務の効率化の1つの手段として、最近はインターネットのホームページ上で契約者貸付、積立配当、据置金およびカードの申込みを受け付ける会社もある(D生命では、住所変更処理はインターネット上のみで完了する)。
今後、顧客サービス推進のため、プライバシー保護やセキュリティ管理に留意しつつ、事務サービス領域でのインターネットの活用を一層進めることが必要であろう。
以上のように、生命保険契約の維持管理に関する事務の効率化にコンピュータ(のネットワーク)はこれまでも大きな役割を果たしてきたが、最近の目ざましい情報通信技術革新は、インターネットなどのオープン・ネットワークや電子マネーを介した電子商取引(EC)を可能にし、また組織のフラット化による意思決定の迅速化や既存販売チャネルの生産性向上等組織の効率性を飛躍的に高める可能性を持っている。
生命保険業界は、実験段階から実用化の時代へと足を踏み入れつつある革新的な通信情報技術を21世紀のビジョンの実現に向けていかに活用できるかが間われている。
生命保険の販売面での情報通信技術の活用に関しては、既に述べたので、ここでは経営管理と事務の効率化との関わりで考えてみたい。
アメリカの生命保険業界においても、生命保険商品の長期性、複雑きによる膨大な事務を処理するコンピュータ・システムがメインフレーム中心から、分散処理型のダウンサイジングやアウトソーシングへと変化する流れが顕著になっている。
しかし、商品の多様化などを背景にそのつど保守整備を続けてきた長い歴史のなかで、複雑で非効率的な部分を内包するおばけのようなシステムをいかに再構築するかが大問題になっている。
これは、大なり小なりわが国の生命保険会社のコンピュータ・システムにもあてはまる。
さらに、情報通信技術とりわけオープン・ネットワーク技術の進歩は、事務や経営システムをクローズドなものからオープンなものに変えていくが、その対応が生命保険業の発展にとっても、決定的な意味を持つと思われる。
生命保険業における間接部門の職員の働き方を変革し、事務とりわけ企画・開発などの非提携型業務の生産性向上に不可欠な情報通信技術として、インターネット技術と既存のクライアント・サーバーシステム、データベースやグループウェアとを有機的に結合した「イントラネット」が大きな意味を持つことに異論のある者は少ないであろう。
アメリカの生命保険業界においても、90年代前後からビジネス・プロセスの革新としてのリエンジニアリングが進められたが、最近はイントラネットの活用が事務や経営効率を左右するといわれている。
わが国の銀行や証券会社も、wwwサーバーやJavaを利用した新しいアプリケーションを次々と開発し、金融ビジネスに応用しつつある。
生命保険業界においても、一部の大手生命保険会社は、本部総合職職員1人に1台のパソコンを配備し、電子メール・サーバーなどのサーバーを配置したEメ-ルシステムを構築することにより、電子メール機能に加えて情報を共有化しデータベース化するグループウェア(フォーラム、ライブラリ、スケジュール管理機能を持つソフト)を導入している。
本部-支社間業務についても、支社にEメールパソコンを配置し、ライブラリ(データベース)の情報提供を行っている。
これによって、コミュニケーションの効率化、ペーパーレス化ならびにワープロソフトや表計算ソフトで作成した文書を含む、企画・総務情報、営業情報、資産運用関連情報などの全社あるいは部門情報の収集・配賦作業の削減さらにはそれらの加工・編集作業の軽減などの面で成果をあげているといわれる(以上の大手生命保険会社の例は、S「Eメールを活用した働き方の変革」『生命保険経営』平成9年3月号による)。
今後は、個人や組織の持つ情報の蓄積・共有化をさらに進め、各部門独自のホームページ作成などが目指されるべきであろう。
また、将来の本格的なイントラネットをにらんだ、ワークフローないしビジネス・プロセスの見直し、組織のフラット化といった組織の革新を図っていかなければならない。
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